2010/10/08

石川の教育振興基本計画(仮称) 〜10月20日(水)

■「石川の教育振興基本計画(仮称)」中間まとめに対するパブコメとは、
06年に「改正」された教育基本法第17条に、
教育振興基本計画策定の義務づけが盛り込まれたことから、
08年には国の基本計画が策定され、
以降、地方公共団体でも策定がすすめられてきています。
石川県でも現行の「学校教育振興」「生涯学習振興」「スポーツ」の
3つのビジョンを一本化した「石川の教育振興基本計画(仮称)」中間まとめ(案)が、
「石川の教育推進会議」(9/28)において了承されました。
基本計画は、今後の石川の教育の方向性を示すものであり、
これにもとづいて具体の教育施策がなされていくことになります。

□ リンク
 *郵送・ファックス・電子メールのいずれかの方法
□ 〆切 
 10月19日(火)まで

1 件のコメント:

ケン さんのコメント...

◇石川の教育振興基本計画(仮称)策定に当たって に関して
○理念が多く書かれているが、石川の教育として具現化していくためには、広く現場教職員や子どもたちの声を吸い上げていくことが欠かせない。

◇第1章 教育を取り巻く状況 に関して
○2の本県教育の現状と方向性の(1)学力の向上、(3)体力・運動能力の向上、(4)職業観の育成とキャリア教育の充実、(9)スポーツの振興 など、資料として全国状況と石川県の状況が比較したグラフが出されているが、学力・体力とも、全国平均を上回ることのみが重要であると受け取れる。職業観についても、なぜそうした現状になっているのかといった分析が記されていない。また、スポーツ振興に関しても、やはり単に天皇杯の順位がよければそれでよいように受け取られてしまう。石川の子どもたちにとって本当に必要な「学力」「体力」とは何かということの論議はなされているのか。今後なされるのか。
○学校は塾やスポーツセンターではない。子どもたちが社会を形成していくためには、人とつながりあうことが何より重要であるし、学校教育を通して子どもたちに育むべき「生きる力」は様々ある。
「ゆたかな学び」として以下を例示しながら意見反映を
・子ども自らが学び方を学ぶ(総合学習)
・さまざまな背景や課題を持った子どもがともに学ぶ(共生教育・インクルーシブ教育)
・お互いの持つさまざまな価値をぶつけ合い葛藤することで、自分自身や周りの人々を大切にする生き方を学ぶ(人権教育)
・市民社会の主権者として、自ら学ぶ平和教育・環境教育
・自らを表現し、他人と協力協同するためのコミュニケーション力の育成(言語教育など)
・多文化共生をめざす(国際理解教育など)
・さまざまな芸術や文化にふれる教育、生活を豊かにする感性を育む教育、じっくりとものづくりにとりくむ教育(音楽、図工・美術、技術・家庭、特別活動、総合学習など)
・労働法などのはたらく者の権利学習と職業にかかわる知識・技能を学ぶ
・学校教育活動への、子どもたちの主体的参画・自治的活動
○また、いわゆる「優秀」「有能」な人材を育てれば育てるほど、石川県から流出してしまうのが現実ではないか。
○(2)規範意識の育成に関して、1 社会の変化と時代の要請の中の(4)国際化、グローバル化の進展で、「…様々な分野で国際社会との相互連携、相互依存の関係がますます深まっています。…」とあることからも、子どもも権利を享受する主体とする「子どもの権利条約」もまた、グローバル社会における重要な視点のひとつであると考えられる。「…子どもたちの自己肯定感を高めるとともに、校内規律の指導の徹底を図る取組を学校全体で進める…」ことも理解できるが、学校の「規範」「規律」は、「子どもはこうあるべきだ」という大人の論理で作るものではなく、子どもが参画し、子どもたちの意見をふまえてともに作るという視点も重要であろう。
 
◇第2章 石川の教育の基本的な考え方 に関して
○基本目標2で、キャリア教育の推進とガイダンスの充実をうたっているが、現在行われているキャリア教育が「マナー教育に終わっている」「企業の求める人材を養成するためだけの教育になっている」などといった声も一部で聞かれる。職業選択のための体験や情報選択、スキル学習、勤労観・職業観の育成にとどまらず、労働法やワークルール、働き方そのものにかかわる学びや「人間のあり方・生き方の問題」として職業をとらえる学びなど、幅広くとらえてすすめていってほしい。
○基本目標3に関して、人権教育は人と人とをつなぐ教育であり、人がつながりあうことで社会が形成されていく。学校教育の中で何よりも重要なものなのではないか。いじめ・不登校・暴力といった状況に加えて子どもの貧困といった現状もある。「学力」「体力」向上策をすすめる以前に、子どもたちの自己肯定感をたかめ、互いを理解しつながりあうためにも、人権教育の授業は大切である。また、子どもたちとじっくり向き合う時間や、子ども・保護者の思いや願いを聞いたりする時間を十分確保しなければならないと考える。
○基本目標4で、「地域のコミュニティ活動の拠点となる教育環境の整備につとめます」とある。小中学校でも学校統廃合がすすんでいる。必ずしも地域住民・保護者などの声が反映されているとは限らないのではないか。その整合性をどう考えるのか。またコミュニティの適正規模は、旧来の小学校区規模が適当であると考える。

◇第3章 計画の実現に向けて に関して
○「教育予算の充実と重点的・効率的な執行」と第3章でうたわれているが、計画をすすめていく上での財政基盤が明確になっていない。裏付けをしっかり行った上ですすめていってほしい。
○また、2010年から2020年の10年間で計画をすすめていくとしているが、目標の設定などを、今後誰がどのような形で設定していくのかが見えてこない。